

不良のキズも写って見えてるし!

ところで"見える"ってどうやって判断していると思う?


”見える”と判断しているのは不良があることじゃなくて、不良部と周辺の“輝度差”があるんだ

キズがあるわけじゃなくて...不良と周辺の明るさの差があるってことですか?

少し照明を動かしてごらん?

キズ自体は同じなのに...

つまりコントラストが落ちて見えなくなったってこと
今回は、見え方とコントラストの関係を整理してみよう!
「画像と画素」で扱ったとおり、画像は多数の画素で構成されています。そして各画素は、明るさ(白黒)や赤や青などの色を表すための数値情報を持っています。
本コラムでは、外観検査で最も基本になる “明るさの情報” に絞って、階調 と コントラスト を整理します。
0〜255で表す「階調」とは
一般的なカメラ画像(8bit)では、各画素の明るさは 0〜255 の数値で表されます。
この数値の範囲(濃淡の幅)を 階調(グレースケール) と呼びます。
明るさが0 ⇒ 黒色
明るさが255 ⇒ 白色

数字が小さいほど暗く(黒に近く)、数字が大きいほど明るく(白に近く)なります。
画像は「輝度値」を持つ画素の集合体
画像は明るさの値を持った画素が並んでできています。このとき、各画素が持つ明るさの値を 輝度値 と呼びます。たとえば、画像の見た目が「黒っぽい部分」でも、0、30、50といった比較的低い値が集まって“黒色”に見えます。


白色は255の数値の画素が集まって、黒色は0の数値の画素が集まっているんだね!
つまり、色は数値で表すことができるんだ!
コントラスト=輝度値の「差」
外観検査で重要なのが、画素どうしの 輝度値の差 です。この差分をコントラストと呼びます。
たとえば、二つの不良があるとして
背景の輝度値が「120」で1つ目の不良が「40」なら差分は 80
もう一つの不良が「110」なら差分は 10
図1のように差分が低い方が見にくいことが分かります。

コントラストが低いとノイズやムラの影響で過検出を伴ったり検出しなかったり判定が不安定になりやすくなります。


- 輝度差が大きい → コントラストが高い⇒不良が検出しやすく検査が安定する
- 輝度差が小さい → コントラストが低い⇒不良が検出しにくく検査が不安定になってしまう
安定検出のために、コントラストを“作る”
私たち外観検査エンジニアは、お客様からお預かりしたワークを見て「不良部と背景のコントラストが最大になる光学条件」 を探すことが仕事の一つです。
具体的には、次のような要素を組み合わせて最適化します。
- カメラ:撮像方法・画素数・素子サイズなど
- 照明:種類・距離・波長(色)など
- レンズ:絞り・焦点距離・ワークまでの距離など
同じ不良でも、これらが変わるだけで「見える/見えない」が逆転することは珍しくありません。ここが、外観検査の光学設計で最も技術力が試されるポイントです。
💡まとめ
- 画素は明るさ(白黒)を0〜255の数値(輝度値)で持っており、この表現幅を階調と呼ぶ
- 不良部と背景など、比較する輝度値の差をコントラストという
- コントラストが大きいほど、外観検査の検出は安定しやすい
- 照明・配置などの光学条件で、高コントラストを作り込むことが重要
