

やっぱりカメラの画素数が多いほど見やすくなるんですね!



今回は、外観検査におけるとても大事な「画素分解能」について整理してみよう!
画素分解能とは?
「この不良は本当にカメラで写せるのか?」といった外観検査の商談を進めるうえで、私たちが最初に確認する大切な技術用語があります。それが画素分解能です。
「1pixで何mmを表すか」
「1pixがどれだけの大きさに相当するか」
と言い換えることもできます。
つまり画素分解能は、私たちが見ている現実世界と、カメラが扱うデジタル画像をつなぐ変換係数のようなものです。
本コラムでは、外観検査で最初につまずきやすい大事な技術用語の画像分解能について、できる限り噛み砕いて整理します。
画素分解能の考え方
画素分解能は、次のように表せます。

検査のワークが算出対象の場合
例えば、10mmのワークを画像で表す場合を考えてみましょう。
① 画素分解能:1mm/pix (1画素で1mmを表します)
10mm ÷ 1mm/pix = 10pix つまり、10mm のワークが 10pixで表現されます。
② 画素分解能:0.1mm/pix (1画素で0.1mmを表します)
10mm ÷ 0.1mm/pix = 100pix つまり、10mm のワークが 100pixで表現されます。
細かく表現できるので、画像はとても鮮明になります。
③ 画素分解能:10mm/pix (1画素で10mmを表します)
10mm ÷ 10mm/pix = 1pix つまり、10mm のワークが 1pixで表現されます。
圧縮されてしまい、画像はかなり粗く見えます。
ポイント
- 画素分解能の値が小さいほど 、細かくなり、鮮明に見える
- 画素分解能の値が大きいほど、粗くなり、ぼやけて見える
一般的に、
画素分解能の数値が小さいほど「画素分解能が高い」
画素分解能の数値が大きいほど「画素分解能が低い」
と表現します。

0.05mm/pixは、0.1mm/pixより数字だけ見ると小さいけど
0.05mm/pixは、0.1mmのものを2pix
0.1mm/pixは、0.1mmのものを1pix
を使って画像にしているんだ。つまり、0.05mm/pixの方がより細かく表現されているってこと!
だから、0.05mm/pixの方が画素分解能が高いって言うんだよ!
なぜ画素分解能が重要なのか
カメラを選定する際に、単純に画素数だけで判断してしまうことがあります。
例えば、100mmの範囲を100万画素カメラと500万画素カメラで撮像した場合で比較してみましょう。
100万画素カメラで、横方向が1,000pixだとすると
このとき、100mm ÷ 1,000pix = 0.1mm/pix
500万画素カメラで横方向が2,500pixだとすると
100mm ÷ 2,500pix = 0.04mm/pix
この場合、500万画素カメラの方が細かく見ることができます。一見すると、「やっぱり画素数が多い方が良い」と思うかもしれません。
しかし、もし500万画素カメラで500mmの範囲を撮像したらどうでしょうか?
500万画素カメラで横方向が2,500pixだとすると
500mm ÷ 2500pix = 0.2mm/pixとなります。
この場合、100万画素カメラで100mmを撮影したときの0.1mm/pixよりも、画素分解能は低くなってしまいます。

ワークサイズや不良サイズ次第で、必ずしも高画素のカメラを使う必要はないんだ!
大切なのは、何mmの範囲を、何pixで撮影しているかなんだね!
不良サイズと必要な画素数
外観検査では、検出したい不良が画像上で何pixになるかがとても重要です。
例えば、0.5mmのキズを検出したい場合を考えてみましょう。
画素分解能が0.1mm/pixであれば、0.5mm ÷ 0.1mm/pix = 5pixとなります。
つまり、0.5mmのキズは画像上で5pixとして表現されます。
一方、画素分解能が0.5mm/pixの場合は、0.5mm ÷ 0.5mm/pix = 1pixです。
この場合、0.5mmのキズはたった1pixでしか表現されません。
1pixだけでは、それが本当にキズなのか、異物なのか、ノイズなのかを判断するのが難しくなります。
そのため外観検査では、検出したい不良を最低でも2pix以上で写せるように設計することが大切です。安定して検査したい場合は、さらに余裕を持って画素分解能を決める必要があります。


検出したい不良を最低でも2pix以上で写せるように設計する!
実際に画素分解能を比較してみましょう
ここまで画素分解能について説明してきましたが、実際にどのような違いがあるのでしょうか。
下図は、同じサンプルを異なる画素分解能で撮影した例です。

不良部分を拡大して見ると、その違いは一目瞭然です。
画素分解能 0.19mm/pix では、不良の輪郭がぼやけて見えています。
一方で、0.07mm/pix、0.05mm/pix と画素分解能が高くなるにつれて、不良の輪郭や形状がはっきり確認できるようになります。
つまり、同じ不良でも画素分解能が高いほど、不良をより多くの画素で表現できるため、細かな形状まで認識しやすくなります。
これが画素分解能による見え方の違いです。
画素分解能は高ければ高いほど良いのか?
さて、ここで少し疑問が残ります。「それなら画素分解能はできるだけ高くした方が良いのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実際の外観検査ではそう単純ではありません。
下図に示す通り、不良が鮮明に写るようになると同時に、背景の細かな模様、ワーク表面のザラつき、照明ムラなどのノイズも撮像されるようになります。

その結果、本来は問題のない部分まで不良として検出してしまう「過検出」が発生しやすくなることがあります。
反対に、画素分解能を少し下げることで、背景の細かなノイズが自然にぼけ、不良だけを安定して検出しやすくなる場合もあります。
つまり、画素分解能は高すぎても、低すぎても問題があります。
- このワークをどの範囲で撮影するのか
- 検出したい不良は何mmなのか
- その不良を画像上で何pix以上にしたいのか
- ワークの表面や背景の模様などのノイズはどの程度なのか
ワークサイズ、不良サイズ、背景ノイズのバランスを見ながら、最適な画素分解能を設定しなければなりません。
外観検査において、画素分解能はカメラ選定の基本であり、検査品質を左右する重要な設計要素なのです。
💡まとめ
- 画素分解能とは、「1pixで何mmを表すか」を示す値
- 画素分解能を低くしすぎると、不良が十分な画素数で表現されず、見逃しの原因になることがある
- 画素分解能を高くしすぎると、背景の模様やノイズまで鮮明に写り、過検出の原因になることがある
- 最適な画素分解能は、ワークサイズ・不良サイズ・背景・照明条件を考慮して決定することが重要
